2020年8月10日に周庭(アグネスチョウ)さんが国家安全維持法の容疑で逮捕され、翌日には釈放されています。
今回は周庭さんが逮捕されたのはなぜなのかや国家安全維持法とはどういうものなのかについてまとめてみました。
周庭の逮捕容疑「国家安全維持法」とは
周庭さんの逮捕容疑である「国家安全維持法」とはいったいどんな法律なのでしょう。
ご存じのように香港は1997年に中国へ返還されるまでは、イギリスの領土でした。そのため香港というのは国名ではなく、「中華人民共和国の香港特別行政区」といった位置づけになるのです。
ようするに中国の中の一部の都市であるということですね。
そのため1つの国でありながら2つの制度(1国2制度)が入り混じっていました。そうした制度を補うために作られたのが、「国家安全維持法」なのです。
国家安全維持法の10の要点が次のようになります。
1.「国家からの離脱、転覆行為、テロリズム、香港に介入する外国勢力との結託」の4つを犯罪行為と定める。
2.国家安全維持法に違反すると最低3年、最高で無期懲役
3.香港の法律と矛盾する場合は国家安全維持法が優先される
4.裁判は非公開でおこなう可能性がある
5.中国政府は香港に国家安全オフィス(NSO)を設立する
6.中国が深刻とみなせば、海外にいる香港非居住者も対象となる可能性がある
7.香港警察内に新たに国家安全保障部を設立し、警察に多様な権力を与える
8.香港の行政長官は裁判官を任命できるが、国家安全を危険にさらす発言をした裁判官は任命されない
9.行政長官を代表とする新たな国家安全保障委員会を設立
10.香港政府は、学校、メディア、インターネットなどで市民への教育を要求する引用:香港BS
ここ数年香港で高まる民主化運動の波を食い止めるべく2020年6月30日に設けられたのが、国家安全維持法なのではないでしょうか。
チラシを配ったり、SNSで発信をしたりするだけでも罪に問われるのですから、香港市民も戦々恐々としています。
香港だけが自由な民主化活動を行うことを認めてしまうと、やがて中国全土にその波が押し寄せることに懸念を抱いたことが背景にはあるとメディアでは言われています。
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周庭はデモシストを解散していた
周庭さんと黄之鋒(ジョシュア)さんらが2016年に設立した民主派団体「デモシスト」では、積極的に民主化運動を展開されていました。
しかしながら国家安全維持法が制定されると、同日に多くのメンバーの離脱に伴いデモシストも解散しているのです。
香港の民主派政党「香港衆志(デモシスト)」は30日、中国で香港国家安全法が可決されたことを受け、解散を表明した。 https://t.co/V1sApVvSFk
— AFPBB News (@afpbbcom) June 30, 2020
その後は主だった直接的に表立った民主化運動には参加しないことを表明していました。
国際社会との連携にこれからは参加できないけれども、引き続き香港人の一人として香港の民主化運動、香港の民主主義、そして自分のために闘っていきたいと思います」
引用:HUFFPOST
みんなが注目してます。周庭さんの上手な日本語はどうしてなのか?
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周庭が逮捕されたのはなぜなのか
周庭さんは自身が逮捕された理由の一つとして、昨年日経新聞に掲載された意見広告を取り調べで見せられたようです。
もしこれが本当に私の犯罪証拠なのであれば、去年の広告が今年施行された法律に違反するなんて、おかしいです。これから起訴されるかどうかはわからないけど、皆さんが引き続き香港のことに注目してくださればありがたいです。
— Agnes Chow 周庭 (@chowtingagnes) September 2, 2020
【 毎日 #EyeforHK キャンペーン 386日目】
香港の周庭さんが国安法違反容疑で逮捕された件につき昨日香港警察に出頭した。
昨年8月に日経新聞に出したこの意見広告が「外国勢力との結託」に該当すると。
同法成立前の事なのに。
これにより日本の国会は何一つ行動してないのに。 pic.twitter.com/1a3ZHJEqOr— 赤いカピバラのかっちゃん【赤鬼天竺鼠】 (@CapybaraRed) September 2, 2020
国家安全維持法が成立したのが、今年の6月30日ですのでそれ以前の行為が該当するとは考え難いです。
しかしながらこれが本当の逮捕容疑だと思いたくないですが、事実なのであれば恐ろしいことですね。
今後も話題になるであろう周庭さんや香港情勢、引き続き注目していきます。
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