外務省は今年3月、不要不急の渡航を自粛するように要請していましたが、ここにきて全世界を対象に渡航自粛要請を引き下げる検討を始めることを発表しました。
今回は外務省が渡航自粛引き下げを急ぐ理由は何なのかについて推測してみました。
渡航自粛要請引き下げを急ぐ理由は何なのか
外務省が渡航自粛要請を引き下げようと検討に入ったとのことですが、まだ国内でも感染者が増えている状況で海外からの受け入れ態勢を緩める理由は何なのでしょう。
その背景には来年2021年夏に延期となった東京オリンピックへ向けてのアピールであったり、逼迫する経済状況悪化に歯止めをかけることなどが考えられます。
渡航自粛要請引き下げを急ぐ理由「航空会社救済」
渡航自粛要請引き下げを急ぐ理由としてまず考えられるのは、多くの路線で運行を取りやめている航空会社の救済にあるのではないでしょうか。
先日、日本を代表する航空会社全日空(ANA)が今冬のボーナスを全額カットし、一般社員約1万5000人を対象に月給一律5%カットなどの人件費削減案を公表しています。
2021年度の第一四半期(4月~6月)では国際線旅客収入が前年同期比94.2%減の-1,546億円となっています。
引用:ANAプレスリリース
渡航自粛要請引き下げを急ぐ理由「東京オリンピック」
そして一番大きな理由として考えられるのは、来年に延期となった東京オリンピックへのアピールなのではないでしょうか。
すでに1年を切っていますのでこの時期から日本は安全なんですよ。というアピールを世界に向けて発信することが最も重要だと考えていらっしゃるのではないかと思われます。
渡航自粛要請引き下げを急ぐ理由「国内経済活性化」
完全にストップしている外国人観光客に来てもらい、低迷している国内経済の活性化を図りたいとの考えもあるのではないでしょうか。
ご覧のように訪日外国人は年々増加傾向にあり、2019年には3000万人に上り今年2020年には4000万人になるとの推測もありました。
それが2020年7月ではわずか3800人しかおらず、1月~7月の累計でも前年比79.9%減の395万人と低迷しているのです。
こうした現状から訪日客を誘致して国内の経済を活性化したい狙いはあるものと思います。
渡航自粛要請引き下げに対する問題は何か
渡航自粛要請引き下げを急ぐことで問題になることにはどんなことがあるのか考えてみると、まず空港での抗原検査の処理能力を早める必要があります。
現状ですら2時間ほど検査に要するみたいですので、今後訪日客が増えるとそれに対処できるだけの検査体制を整えておく必要があります。
また、日本人はマスク着用や手指の消毒などきちんとやってる人がほとんどですが、外国人客の方がどこまで高い意識を持って感染対策をやってくれるのかが気になります。
そしてこれから訪れる冬に感染は拡大しやすいといわれていますので、そうした面での不安も否めません。
【まとめ】渡航自粛要請引き下げを急ぐ理由は何
今回は外務省が渡航自粛要請引き下げを急ぐ理由は何なのかについてご紹介してきました。
海外での感染拡大もニュースになってる中、渡航自粛要請引き下げを急ぐことは時期尚早なのではないかとの意見が大半を占めています。
経済活性化させるためやオリンピックへのアピールももちろん大切ですが、世間の声も大事なのではないかと思いますので慎重な対応をお願いしたいですね。