日本において様々な申請書類や手続きなどで必ず必要になるのがハンコ(判子)です。しかしながらこのハンコをなくす動きが進んでいます。
今回はハンコ文化とはどうしてできたのかや、日本だけに根付いた慣習なのかまた、海外の事情はどうなのかについてまとめてみました。
ハンコ文化とはどうしてできた
ハンコ文化とはどのようにしてできたのでしょう。
ハンコの起源は今から約5000年以上前のメソポタミア地方で始まったとされています。メソポタミアはチグリス川とユーフラテス川のあいだの沖積平野で、現在のイラクの一部にあたります。
当時のハンコは権力者たちのみが所持していて、その材質も宝石や石でできたものだったようです。
つまり権力者たちの象徴であったことを示すための道具がハンコであったのだと思われます。
ヨーロッパでも15世紀ころまでは貴族を中心にハンコは使用されていて、その理由として識字率の低さがあり自分で文字を書けない人が多かったので、ハンコを使用していたようです。
しかしながら権力者の衰退と識字率の向上とともに、ハンコ文化は廃れていったものと思われます。
日本へ伝わり根付いたのは
仕事でシャチハタが必要と聞いて、近所で取り急ぎ似たようなのを買ってきました。
今後、ハンコ文化もどうなるのやら…… pic.twitter.com/94ITeoFVDx
— 全国五十嵐会 (@zenkoku50storm) August 20, 2020
ハンコ文化は日本へどのようにして伝わり使用され根付くようになっていったのでしょう。
中国の漢時代に光武帝より「漢委(儀)奴国王」と刻印された金印が贈られたのが西暦57年。その後701年に大宝律令という法律が制定され、その中に官印・公印を定める印章制度が盛り込まれていたのです。
この頃のハンコは個人で持てるものでなく、所有はおろか製造に至るまで許可がないと持てなかったそうです。
明治時代の初期になってやっと個人の印として誰でもハンコを持つことができるようになり、ハンコを押す習慣が定着していきました。
明治6年10月1日に太政官布告が制定され公式の書類には実印を押すように定められ、現在のように署名・捺印というハンコ文化が根付くようになったのです。
ちなみに10月1日は全日本印章業組合連合会により「印章の日(ハンコの日)」とされ、使用済みハンコの供養などのイベントが行われています。
ハンコ文化海外はどうなってる
https://twitter.com/chinafoodlover/status/1303704604169781248日本では当たり前のハンコ文化ですが、海外ではどうなっているのでしょう。ハンコを使ってる国はあるのでしょうか。
日本以外でハンコを使う国は、台湾・中国・韓国のアジア諸国だけのようです。しかしながら中国では日本のように個人の印鑑登録制度はなくて、社印として使われてたりお土産としての使われ方になるようです。
そして韓国では母国語であるハングル語が字画数が少ないことで、偽造しやすいことなどから2014年までに印鑑登録制度が全廃される法案が提出されましたが、現在のところは全廃にはなっていないようです。
世界的にみても色んな申請書類や契約書類に必要となるハンコ文化は日本だけのようです。
ただし必要以上に押印しないといけない今の仕組み事態は、もう少し簡素化していただいた方がいいのではないかと思います。