あおり運転のニュースをよく見かけますが、ハンドルを握ると人が変わるという人がいます。そうした背景にはドレス効果が影響しているといわれています。
ドレス効果で車の運転が変わる人はどんな人なのかや、良い影響にはどんなことがあるのかについてまとめました。
ドレス効果で車の運転が変わるのはどんな人?
ドレス効果というのは車の運転に限らず、身につける服装などによってその役になりきることを指します。
普段はおとなしい人なのに、車の運転になると人が変わったように乱暴になる人がいます。
そうした人はどんな人なのでしょう。
- 競争心の強い人
- 性格が激しい人
- せっかちな人
- 正義感の強い人
このような性格の人が車に乗るとドレス効果を受けて、より一層性格が強固になり周囲の車が目に入ることで「自分が上」であることを証明したくなってしまうようです。
それは乗ってる車によってももたらされるようで、スポーツカーに乗っていれば誰よりも速く走らないと気がすまないため、後ろから抜かされると黙っていられないのです。
そして自分の正義感をやたら振りかざす人は、その基準から外れた人を見つけると攻撃的になり、車という武器を使って行動してしまうのではないでしょうか。
ドレス効果はスタンフォード大学の実験で立証されている
ドレス効果の実験がアメリカのスタンフォード大学で行われています。
それが「スタンフォード大学監獄実験」です。
一般人から募集を募り、囚人役と看守役に分けて2週間生活させるという実験でした。
看守役になった者たちはいつの間にか暴力によって、囚人たちを支配するようになりやがて囚人の一人を殺してしまったのです。
そして実験はわずか6日間で中止となりました。
この実験を元に「エクスペリメント」という映画が作られ2010年に公開されました。
このように自身の肩書きによって振る舞いや人格までもが、変わってしまうこともあるのです。
ドレス効果は良い影響もあるの?
ドレス効果にはこのように悪い影響だけでなく、良い影響ももちろんあります。
例えば、警察官は制服を着たとたん犯罪者を取り締まったり、消防士は燃え盛る炎をものともせず、わが身を危険にさらしながら活躍しているのです。
トイレ掃除の仕事をしている人が自身の名詞に、「衛生責任者」という肩書きをつけただけで仕事に対する姿勢が180度代わったりといった良い影響ももたらしています。
また普段おめかししない人が、ドレスアップしておしゃれな服を着て出かけたりすると優しくなったり言葉遣いも丁寧になったりしますよね。
これもドレス効果ですよ。
漫画の世界でもドレス効果が表現されています。
https://twitter.com/takapu______/status/1214080964890001408秋元治さん原作の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」という漫画に登場する、本田速人(ほんだ はやと)という白バイ警察官がいます。
彼は白バイに乗らない時は気の弱いおとなしい性格なのですが、白バイに乗ったとたん人が変わったように顔つきも怖くなり、言葉や運転も荒くなるのです。
秋元先生はきっとドレス効果を知っていて、本田速人というキャラクターを描き出したんでしょうね。
ドレス効果という言葉は良い響きですが、悪いほうに変化しないように注意したいです。